この記事のポイント
債務超過って?
債務超過とは、
[ 資産 ] - [ 負債 ] = マイナス!
資産より、負債の方が多い状態です。この債務超過に陥ると、金融機関の評価は多くを望めなくなり、倒産リスクが一気に高まります。
債務超過の解消:脱出法(その1)稼ぐ!
債務超過を解消し、脱出する王道は「稼ぐ」です。
債務超過は「マイナスの内部留保」です。この内部留保を増やす源泉は、まさに「利益」。
収益性を改善し、利益でマイナスを埋めることです。
(参考記事)収益性を改善するなら・・・
債務超過の解消:脱出法(その2)貰う!
上記のように、自力で債務超過を解消し、脱出することが困難な場合に考えるのは「貰う」です。
つまり、増資して外部から「資本注入」してもらうことです。
不良債権問題で揺れていた金融機関が「公的資金注入」・・・つまり、我々の税金で増資し、復活したことは記憶に新しいですね。
もし、貴社に出資をしてくれるスポンサーが見つかれば、脱出のチャンスです。
ただし、注意したいのは「タダほど怖いものはない」「甘い言葉にはリスクが付き物」です。
増資の際の、発行株式数、発行価格、株主構成等に十分注意してください。
債務超過の解消:脱出法(その3)諦める!
「諦める」といっても「債務超過を諦める」のではありません。
債務超過に陥っている企業のバランスシートを見ると、多くの場合、「社長借入金」の残高があります。
資金繰りの都合上、社長自らが、私費を投じて会社の資金繰りを回しているケースです。当然、これは、会社からみれば「借入金」なのですから、いずれ社長に返済しなければなりません。
しかし、この債権を社長に「諦めてもらう」のです。社長は、会社に貸している貸付金を「債務免除」するのです。
そうすると、たちまち「負債」は「利益」となり、結果、「資本」に組み込まれることになります。
債務超過の解消:脱出法(その4)増資する!
上記の「債務免除」の応用編。上記のような「社長借入金」がある場合「債務免除」ではなく「出資」に振替える、という方法があります。正確に言うと「社長の債権を現物出資する」という方法です。
会計処理的には、
(借方)社長借入金(貸方)資本金
となります。
課税に注意!
上記、いずれの方法も、課税問題が発生するケースがあります。課税上、最も有利な方法は何か?デメリットはないか?などを事前に充分吟味して実行します。
まとめ
おわかりのように、上記の「どれか」ではなく、それぞれ、複数の方法を的確に、そして、迅速に実行しなければなりません。
例えば、当面は「資本注入」で応急処置を行い、続けて「収益性を改善する」というように、正しいシナリオを準備し、慎重に債務超過を解消し、脱出してください。