「借入金」には3種類ある
借入金は、大きく「3種類」に分けることができます。
1)運転資金借入
2)設備資金借入
3)赤字補てん借入
それぞれに注意点がありますので、整理しておきましょう。
運転資金と価格競争力
運転資金借入は、文字通り「運転資金の為の借入」であり、売掛金・在庫・買掛金のタイムラグを補うための借入金です。
事業が拡大傾向にある時は特に「資金需要は旺盛」になります。
販売拡大に伴い、売掛金や在庫は増加傾向にあり、資金がタイトになってきます。
この場合の注意点は「金利」です。
もし、ライバル企業が「自己資金」でビジネスをしている場合、金利負担の分だけ「価格競争」において不利になります。「より低利の資金」で運転資金を賄うことが重要です。
設備資金と償却期間
設備資金として借入する場合の注意点は「借入期間」です。
例えば、耐用年数が5年の設備に投資する場合、もし、5年を超える資金を使うと、理論上、その設備が無くなっても借金は残る、ということになります。
そうすると、その次の設備は、二重ローンとなり、資金繰りが悪化することになります。
理想は、償却期間の7割程度の期間で返済できる計画で検討することです。
なぜなら、不動産を除き、定率法で減価償却するため、耐用年数の7割程度の期間で大半の償却が終わるからです。
もし、それが「苦しい」ということであれば、そもそも「過剰投資」でないかどうかを慎重に検討する必要があります。
赤字補填は・・・麻薬
事業が不調で、資金繰りが苦しい時・・・喉から手がでるくらい、資金需要が高まります。
最悪の場合「赤字を埋めるため」に融資を受けることがあります。
これは「正解」でしょうか?
一般的に「赤字補てんの資金」は、借りるべきではありません。
また、そうなる前に、つまり、「廃業資金」がある間に事業の継続を慎重に検討しなければなりません。
赤字体質を改善することなく苦し紛れで借金を重ねる、ということは避けなければなりません。
苦しい時の借金は「一息つける」という意味で「麻薬」のごとき、です。
冷静になれば簡単なことですが、赤字が続くということは、いずれ「禁断症状」に見舞われます。
赤字補てんの為に借入が許されるケース、それは、何らかの理由で「一時的な赤字」が発生したが、事業そのものは「黒字」という時です。
以上ですが、貴社の借入金を今一度、見直してみてください。